lotus column わが心、われ知らず by Taijun
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 人間だれでも、顔の真ん中は鼻である。そして鼻の働きといえば、思いつくことは「においを嗅ぐ」「息を吸ったり吐いたりする」ことぐらいだろう。しかし実際には、もっと精密な作業がされている。

 例えば寒い冬の日などは、肺を痛めないよう、鼻で瞬時に体温程度まで空気を暖めてから送っている。鼻の中に毛細血管が集中しているのはそのためで、鼻血が出やすいのは構造上の問題なのだ。

 また鼻は、乾燥した空気に少し湿気を加える仕事もしている。だから鼻の中は湿っていて、調子が悪いと鼻水を出して調整する……。

 とかく鼻は「低い」「形が悪い」等と、その形だけを気にされがちだ。しかし、こんなに大切な仕事をしてくれていると思うと、感謝せずにはおれない。それに鼻一つとってもそうなのだから、人間の身体とは本当に不思議で奥の深いものだと改めて感じる。

 私たちは、そうした身体の構造をあまり細かく理解していない。そしてもっと大事な「心の構造」については、まるで目を向けようとしない人が多い。

 あるおばあさんは足が不自由になり、毎日のように「治したい、治したい」と思いつめていた。しかし、一年もすると次第にあきらめの気持ちが生まれ、ついには「長い間、胴体を支えてくれてありがとう」と感謝するようになり、同時にとても気が楽になったそうだ。心持ちのスタート地点をどこに定めるかで、自分の観る世界はガラリと変わってくる。

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