lotus column 一番のたから by Gigaku
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「お金はためて置いていく。罪はつくって持っていく」

 生きている間にためた財産も家も、当然ながらあの世に持っていくことはできない。持っていけるのは、その人が生前中になした身口意(しんくい=振る舞い・言葉・思考)の業(ごう)だけである。

 仏教は縁起(えんぎ)を説く。善い業も悪い業も、因果の道理によって後に必ずそれに見合った結果を導き出す。他人を尊敬することもなく、欲望のまま自分勝手に生きようとする者は、その業によって悪道に堕ちるとお釈迦さまは説かれた。

 日蓮聖人のお言葉にもこうある。

「蔵の財(たから)よりも身の財すぐれたり、身の財より心の財第一なり。……心の財をつませ給べし」

 いつの時代でも財産は大切だ。しかし猫も杓子(しゃくし)も「財テク」と称して右往左往していた結果、大勢の人々が自らの人生を狂わせていった。財産よりも、まずは健康な身体こそ大切だが、身体にもやはり限りがある。そして、正しい心のコントロールを失った身体は、たとえ健康であっても、その働きによって悪業を積む……。

 自らの振る舞いも、言葉も、思考も含めた「生き様」こそが最大の財産だ。それは自分のみならず、時代や世代を越えて他の人たちにも分け与えることができ、かつ決して減らない財産といえる。

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