先日、公園に行くと、清掃用具入れのプレハブ倉庫の壁に「この屋根にのぼってはいけません」と書かれているのを見つけた。また、園内には「犬のフンは飼い主の手で始末しましょう」と書いた立て札がある。
電車のホームでは「お降りの方がいなくなってからご乗車下さい」のアナウンス、電車の中では「お年寄りや体の不自由な方に座席をお譲り下さい」というアナウンス。そして、車で走っていると「空き缶のポイ捨てはやめましょう」の立て看板……。
どうやら昨今は、当然の事を声高に宣伝しなければならない世の中らしい。
戦後の教育に欠けているものとして、軍隊教育と宗教教育があげられている。軍隊教育はさておくとして、新憲法の「信教の自由」の中の「信じない自由」だけが胸を張り、大手を振って歩いているように思える。
「すべての人間が、当たり前のことを当たり前にできるようになって欲しい」
そんな願いを込めて、お釈迦さまは法をお説きになったのではないだろうか?世にあふれ返る様々な立て看板やアナウンス等に注意をうながされるたび、自由と引き替えに責任を失ってしまったこの国の様相を見せつけられる。
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