lotus column 人間は人間が好き by Chishin
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 大阪の四天王寺では弘法大師の命日にちなみ、毎月20日と21日は「お大師さん」といってたくさんの出店が軒を連ね、お年寄りの参詣者で道がいっぱいになる。まだ自分がお坊さんになるとは夢にも思っていない子供の頃、この日がとても楽しみだった。

 木の枝から張ったヒモにオモチャの飛行機を通し、こちらからスッと押し出すと勢いよく飛んで帰ってくる。それを売っている出店のおじさんよりも上手にするものだから「ボン、家へ持って帰ってせんかい」と言われ、心の中で「おっさんに勝った!」とニヤッと笑って帰ったこと。サーカス、武夫と浪子のタタキ芝居、門前の乞食さん等、思い出がいっぱいだ。

「こんなにたくさんのお年寄り、どこからわいてくるんやろ」と、冗談まじりに交わしていた祖母と母の会話。その祖母も亡くなり、母も八十歳になって、私も最近では時々この出店で植木の苗や花の種を買う年頃になってしまった。

 そういえばデパート・○○会・習い事・お祭り等、人がいっぱいなのは分かっていながら、元気であれば出かけていきたいと思う。やはり、人間は人間が好きなのだ。

 大勢の人間をはじめとする生き物に囲まれて、生きている私たち。自分がもらった喜びを、互いが生かされ生きているという仏さまの教えを、もっともっと子供や孫に伝えておきたい。

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