lotus column 誓言なければ by Shougyo
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 あれからはや十年余りもの年月が経つ。空前の好景気にわく就職戦線は、学生一人につき七つの会社から誘いがかかるという信じがたい状況だった。そんな中で各企業の人事担当者は、玉石混淆(ぎょくせきこんこう)の学生の中から、玉だけを選び取るストレスにさいなまれつつ、毎日必死で面接を続けていたとか。

 世の中には好景気がある以上、かならず不景気もあるわけで、その後の日本経済がどういう道をたどったかは、誰もが知るところだろう。今のような荒波を乗り切れる人材を、かつての人事担当者たちは選び取ることができたのだろうか?

 ただ当時のある雑誌には、管理職が社員からよく受ける返答として、次のような言葉が列記されていたのを覚えている。「知りません」「できません」「聞いてません」「わかりません」「まだです」……。

 中国天台宗の開創者である天台大師の言葉に「誓言(せいごん)なければ牛の御(ぎょ)するなきがごとく、趣(おもむ)くところを知らず。願い来たって行を持(じ)すれば、まさに所在に至らん」とある。目標と意欲を持たない者は、御者(ぎょしゃ=牛をひく者)の付いていない牛のように行く先が分からない。目標を持って努力する者こそが、充実した歩むべき人生を送ることができるという意味だ。

 各企業が本当に欲しいと思う人材とは、「願い来たって行を持する人」に他ならない。

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