lotus column 飽食と飢餓 by Ryouko
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 不況下とはいえ、各地のデパートで催される「食の名産地展」「全国駅弁フェア」などは、あいかわらず盛況のようだ。

 現在の日本は「飽食(ほうしょく)の時代」から、さらに「多様性」「ファッション性」へと新たな流れが作り出されている。このような「豊食」の国に生きる私たちは、世界の飢えている人々に対してどのような立場に立てばよいのか。疑問と矛盾、申し訳なさ、そしてあきらめ……。愚かで、行動できない自分がいる。

 大乗(だいじょう)仏教は、利他(りた)すなわち慈悲(じひ)の心を持てと教えている。慈とは相手を思いやり「楽を支える」こと、悲とは相手と共に悲しみ「苦を抜く」ことだ。そしてこの利他は、自利(じり)=自らを利益(りやく)することと不離一体(ふりいったい)であるとも説かれる。

 飽食と飢餓。地球規模の視点から観て、このアンバランスこそが自然の摂理(せつり)なのか、それとも人類のかかえる大きな課題なのだろうか。

 互いに自らのための行いが、すなわち他人を導く行為にもなるという生き様とはどのようなものか。一人一人が、正面切って模索しなければならない。

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