lotus column 親バカ by Chishin
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 連休ともなると、電車が止まったとたん子供たちが「ワァーッ!」っと乗り込んでくることがある。多くは靴をはいたままパッと席につき、窓の方を向いて靴の裏を見せる。時には親が子供の手を引いて、すばやく席に座らせる。

「あ〜ぁ、何たる親バカ、愛情過多、過保護……」

 よく座席の上の標識を見るがいい。「お年寄りや、身体の不自由な人に席をゆずりましょう」とは書いてあるが「子供にゆずりましょう」とは書いていない。ある時、たまりかねて「子供を立たせて、親が座りなさい」と言ったところ、心ある老人が「そうだ!子供は電車賃も半分だ。だから立つんだ」と応援してくれた。それに子供は、電車に揺られると足腰が丈夫になり、運動神経も発達するといわれている。

 法華経に説かれる「親として」または「父として」の教えに、こんな過保護はない。厳しさの中に、本当のやさしさがある。仏さまは、私たちが何とか自分で正しい方へ向かうようにと、ヒントを与え、やり方を示される。でも決して手を添えたり、かゆい所に手が届くようなことはされない。

 私たちは、だいたいが親バカによって育てられているのかもしれない。そんな私たちが互いに色々な形で、色々な人たちに教えられる。これが仏さまのやり方で、他人との関わりを通して仏さまの国を実現させるのが、私たち一人一人の役目なのだ。そして子供たちには、親の厳しい姿を見せて育てて欲しい。どの子供も、未来に仏さまの国を築いてくれる一人だから。

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