lotus column 逆転の逆転 by Shougyo
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 先日車の中で、ある弁護士による法律相談のラジオ番組を耳にした。

「私の息子は数カ月前に車にはねられ、一カ月入院した後、リハビリのため二カ月以上も病院に通いました。その間、加害者はたった一度わずかなお金を届けに来たきり、見舞いにも来ません。この怒りをどこにぶつけたら良いのでしょうか?」

「そのような誠意のない加害者は最初から相手にせず、加害者が加入している保険会社との交渉を急ぐべきです。入院の費用・通院の費用・休業補償・慰謝料などの算定を確実に行い、それらのお金を受け取りなさい」

 つまり誠意などという精神的なことで腹を立てるより、まず「お金を受け取ることが先決」というわけだ。もちろん現実問題として必要な費用をまかなうため、まず保険会社との交渉は急ぐべきであり、弁護士という立場上、当然のアドバイスと言えるだろう。

 ただし、これはあくまで「対処療法」であり、事が起こってからの即物的なケアに過ぎない。保険会社は相手の誠意まで呼び覚ますことはできないだろうし、今後このようなことがないよう、弁護士が人に礼儀を教えてくれるわけでもない。

 お釈迦さまが亡くなってから二千年を過ぎると、世の中はものごとの見方が逆転した人であふれ返ると説かれている。そしてこれら人々の心の根本的な治療には、仏法が必要だ。法華経には「この経はすなわちこれ閻浮提(えんぶだい=この世の中)の人の病の良薬なり」とある。

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