lotus column |親は子を選べない? by Jouko
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『法華経』の「観世音菩薩普門品」に、こんな一節がある。

「もし女性が男の子を産みたいと思って、観世音菩薩を礼拝し供養すれば、福徳と智恵に恵まれた男の子が産まれるであろう。もし女の子が欲しいと思えば、端正な容姿を備え、生まれ持った徳によって皆に愛され大切にされる女の子が産まれるであろう」

 これは妊娠した女性はもちろん、その子の父親となるべき男性も含めた、いわゆる両親の切なる願いだろう。そして、この願いをかなえる道を説いて下さったのがお釈迦さまだ。

 お釈迦さまによれば、人はみな前世の因縁によってこの世に生まれると説かれている。つまり前世の宿業によって定められた母胎を媒介としてこの世に誕生するわけで、いわば子が親を選んで親子の絆を結ぶのだ。

「産んでくれと頼んだ覚えはない」「勝手に産んだくせに」

 親が子を選べるものなら、むしろこんなことを言う反抗的な子供は生まれなかったに違いない。それどころか子供の方が両親に何の承諾も得ず母胎に侵入し、十月十日のあいだ栄養まで与えてもらっていたのだ。その恩は絶大と言える。親は感謝こそされても、逆恨みをされる筋合いはない。

 しかしこれから親となる若い方々も、善い宿業を積んだ子供に選んでもらるように、自ら努力しなければならない。やがて臨終を迎えるであろう老人たちにしても、善い宿業を積んだ来世の母に巡り会えるよう、今からでも功徳を積む必要がある。

 結局人間というものは、一生涯を通して精進を続けなければならないと、お釈迦さまは説いておられるのだ。

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