大気が澄（す）み、気圧が安定し、気候がいいと気分が良くなり、元気が出てきます。仕事にも気合いが入り、気概を持って取り組めば気運も高まり、気迫が出てきます。

　気骨のある人の気質は、気丈夫で気強い気がしますが、気位の高いだけの人は気心が知れず、気さくに付き合おうにも気遣いばかりで気詰（きづ）まりがします。

　その点、気取らない気だてのいい人は、気楽で気負う必要もなく、気軽に気兼ねなく付き合えて気持ちがいいし、少々気ままでも、ほんの気まぐれだと思えば気が休まります。ああ、しんど……。

　さしたる意味もなく「気」の付く言葉を並べてみましたが、案外多いので驚きます。

　思えば日蓮聖人は、「天のみ気色（けしき）」によって蒙古の襲来を予見されました。気は人間だけでなく、宇宙をも包み込む、大きく不思議なエネルギーのことではないでしょうか。これを人間は、欲望によって歪（ゆが）めたり、狂わせたりしているに違いありません。

　この狂った気を「正気」に戻すために、お釈迦さまは正法を説かれたような気がします。