lotus column |人の道 by Taijun
what's new 「オレは太く短く生きたい」

 先日もある若者がこう言っていた。私も学生時代、そんな風に考える時期もあった。つまり「若い間は楽しむだけ楽しんで、歳をとる前に死にたい」ということだ。

 このような考え方をする若者は、今も昔も結構多い。しかし、実際にこういう生き方をした人は、やはり少ない。なぜなら人間は「これで満足」ということを知らず、「これだけ楽しんだのだから、明日は死のう」と考える人が少ないからに他ならない。

 「今日はこれをしたから、明日はこれをしよう」というように、やりたいことは次から次へと出てくるものだ。あたかも幼児が何でも手に取り、口に入れるようなもので、こうした生への飽(あ)くなき欲求も、人間の持つ本能の内なのだろうか。

「欲深き人の心と降る雪は、積もるにつれて道を失う」(古歌)

 私たちの「欲という雪」は、決して止むことが無いのかもしれない。そして欲望を自己中心的な方向に使えば、大雪に見舞われたように人の道を見失ってしまう。

 世界の中心は自分ではなく、また人間でもない。生きとし生けるもの、そして「生きていないもの」もすべてが、互いに関連し合って存在しているこの世界の中で、人が使うべき欲望とは……。それこそが、お釈迦さまの説かれた「自己と他を生かし切る秩序と行動」だ。

 倫理や道徳の範ちゅうだけで見た「人の道」ではなく、人として生まれた自分が、何をすべきかを見失わないために、仏さまの言葉に耳をかたむけて欲しい。

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