lotus column |生命をいただく by Taijo
what's new  新年明けましておめでとうございます。

 とはいっても昨年は、決してめでたくはない事件が頻発した。この国の経済が、戦後をかけぬけるように復興・発展してきたと同時に、人づくり・国づくりについても、その尽力は絶えなかったはずだ。いったいどの時点から、その歯車が狂いだしたのだろう。

 話は変わるが、多少の「はやり」「すたり」はあるものの、ここ15年ほどの長きにわたって「健康ブーム」は衰えない。書店には健康法やダイエットの本があふれ、健康寝具に健康器具、健康食品が手を変え品を変え登場している。例えば、昔は農家で見向きもされかった「カイワレ大根」は、ビタミン・ミネラルが豊富と宣伝されてから、食中毒騒動でそのブームが下火になるまで、一時は年間売上げ百億円に迫る勢いだった。

 カイワレに限らず、食べ物は私たちに欠かせない栄養を与えてくれる。しかし心にゆとりが無く、食べ物に対する感謝の気持ちがないと、実は食べ物がうまく消化しないということをご存知だろうか。

 私たちは、喜んで愉快な気持ちになっている時に生命力が活躍し、逆に不満な気持ちでいる時には生命力が衰え、唾液の分泌も少なくなるそうだ。だから本来の消化能力を発揮することができない。だから、いま自分の目の前にある食べ物は、天地の恵みや様々な人々の手によって存在していることに感謝し、喜んで食事をしなければ、栄養も半減してしまうというわけだ。

 喜びの心、感謝の気持ちは、人の生命力を高め、食べ物を通して体を養ってくれる。そして、食べ物や様々な恩に対する感謝の気持ちを表現するのが、食事の前の「頂きます」という言葉であり、合掌の姿だ。自分を含めたすべての「いのち」に対しこの気持ちが失われた時、おごりの心が顔を出して、自分本位の人づくり・国づくりがスタートする。

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