lotus column |叱りと怒り by Keijun
what's new  今の天皇陛下がまだ皇太子殿下であったころ、妃殿下と共にある著名な心理学者の講義を受けられ、講義後にこう質問されたそうだ。

「先生、よく『子供を叱(しか)る』と言いますが、『叱る』ことと『怒る』ことはどう違うのですか?」

 するとその心理学者は、こう答えられた。

「『叱る』というのは、自分の感情の波を押さえ、相手の心情を考えつつ、理性をもって注意することです。時として笑顔で注意し、相手も笑顔でその注意を受けることもあり、しかった内容を相手がよく理解できるようにすることです。

 これに対し『怒る』とは、注意する内容よりも自分の感情が先に立ち、いつの間にか『いかり』になっている状態を言います。こうなると聞く方も感情的になり、耳をふさいでしまいます。これでは何のために注意を与えたのかわかりません。

 ですから古人は『子供は叱りなさい』と教えたのだと思います」

 この話を我が身に当てはめてみると「はじめチョロチョロ、中パッパ」の飯炊きよろしく、初めのうちこそ「冷静に冷静に」と自分に言い聞かせているが、次第に頭に血が上ってきて、ついには怒り心頭(しんとう)に達していることが何と多いことか!

「やってみせ、言って聞かせてさせてみて、ほめてやらねば人は動かじ」

 かつての連合艦隊司令長官であった山本五十六元帥の言葉だ。子供に限らず人に注意を与えるときは、先の「叱る」という心が大切なようだ。時代の流れが早く、親子の間でも思考のズレが生じやすい昨今。この心を忘れずに、人との関係を保っていきたい。

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