lotus column |如来の眼 by Shougyo
what's new  少々人気も下火となった感のある大相撲ではあるが、先月も「20世紀最後の大相撲」と銘(めい)打ち、九州場所が華々しく開幕され、見事横綱・曙(あけぼの)関が優勝を飾ってその幕を閉じた。

 さてこの相撲の世界、大関までの昇進は相撲協会の「番付編成会議」なるものによって決まることは、ご存知の方も多いだろう。さらに横綱となると、その昇進は各界の識者によって構成される「横綱審議委員会」にかけられ、決定されるそうだ。

 もう今から20年ほど前の古い本になるが、ここに当時の横綱審議委員会委員長を務めていた高橋義孝氏が、興味深い一文を添えている。要約すると、以下のような内容だ。

「委員会規則の横綱推薦(すいせん)の内規第2項には『大関で2連続優勝した力士を、横綱に推薦することを原則とする』とあり、第3項では『第2項に準ずる好成績をあげた力士を推薦する場合は、全委員の3分の2以上の決議を必要とする』と定められている。

 以上が第2項・第3項ならば、第1項にはそれ以上に重要な条件がうたわれているはずだ。その第1項とは『横綱に推薦する力士は、品格・力量が抜群であること』。しかし現代相撲ファンも、そして審議委員会メンバーも、共に「2連続優勝」という数字を最重要視して横綱の誕生を期待している」

 確かに「2連続優勝」という条件は直接的で分かりやすく、誰が見ても納得しやすい。ただ高橋氏が批判するように、それが横綱昇進の条件として本質をついたものかどうかについては、大いに疑問が残る。

 お釈迦(しゃか)さまのお言葉に「如来(にょらい)は如実(にょじつ)に三界の相を知見(ちけん)す」という一節がある。仏には、この世の真実の姿をことごとく明らかに見る「智恵の眼」が備わっているということだ。

 ともすれば情報の波に飲み込まれ、流されるままに時を浪費する人々が多い現代だからこそ、物事の本質を見極めることのできる眼を、仏法を通して養う必要がある。

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