lotus column |運命は変わる by Koushun
what's new  ある街角の易者が、死相の現れている一人の女性を見つけ、こうつぶやいた。

「かわいそうに、彼女の寿命もあと一週間か……」

 しかし一週間後、その易者はいまだ元気な彼女の姿を見かけ、彼女を呼び止めるとこう聞いた。

「実は一週間前、あなたには死相が現れていたのに、今はそれがまったくない。この一週間、あなたに何か変わったことはありませんでしたか?」

 彼女は大変驚いたが、しばらく考えると、あることを思い出した。

「そういえばこの間、私がたまたま入った公園のトイレがあまりに汚れていたので、掃除をしました」

「それだ!」

 易者はひざを打った。

「人はそれぞれ、前世から持ってきた『業(ごう)』によって運命が定まっています。しかしその運命を変える、三つの例外があるのです。

 一つ目は、正しい宗教による信仰生活をすること。二つ目は、先祖を大事にすること。三つ目は、世の中のためになる善いことを喜んですること。

 この三つの例外を行った人の運命は、どんなに優れた易者でも言い当てることはできません。なぜならその人たちは、どんなに悪い運命が定まっていても、自らの善根功徳(ぜんこんくどく)によって良い方向に変わっていくからです」

 この占い師の能力が、はたして本物であったかどうかはともかく、この「業」という考え方は、占いというより仏教だ。自分が前世より備えてきた「業」は、良きにしろ悪きにしろ「持って生まれたもの」で、そこには前世からの自分の行いが、余すところ無く正確に記録されている。しかもその記録は、決してパソコンのデータのように上書きも削除もできない。

 しかし将来を最終的に決定するのは、あくまで「今の行い」であり「これからの行い」だ。自業自得(じごうじとく)とはこのことで、これからどのような「業」を積み重ね、それによってどんな結果が帰ってくるのかは、すべて自分の行い一つにかかっている。

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