lotus column 東大寺の大仏 by Chijo
what's new  奈良といえば鹿。そんなイメージの源となっている奈良公園には、たくさんの鹿たちがたむろしており、お釈迦さまが初めてお説法をされた、インドの鹿野苑(ろくやおん)を思い起こさせます。その中にあって、威風堂々(いふうどうどう)とした景観を与えているのが東大寺です。

 南大門から中門、そして大仏殿へと北へ一直線に並ぶ仏閣(ぶっかく)。西の小道を行けば、唐の高僧・鑑真和上(がんじんわじょう)により、日本で初めて授戒(じゅかい)の儀が営まれた「戒壇院(かいだんいん)」があります。その折に受戒されたのが聖武天皇(しょうむてんのう)を始めとする百官公卿(ひゃっかんくぎょう)四百人で、もともとは大仏殿前にあった土壇(どだん)をこの地に遷(うつ)して戒壇堂を築き、伽藍(がらん)を造営したのが戒壇院の起こりでした。

 さて、東大寺といえば「大仏さま」ですね。この仏さまは大乗仏教の経典「華厳経(けごんきょう)」に登場する教主「ヴァイロシャナ=あまねく照らすといった意味」で、それを漢字で音写して「毘廬遮那仏(びるしゃなぶつ)」と呼ばれています。また密教においては「偉大なる日輪のごとき智恵と慈悲(じひ)の光」と意訳され、空海によって大日如来と呼ばれるようになりました。神道で言うならば「天照大神」に値するような、至高の存在ととらえられています。

 聖武天皇が「大仏造顕の詔(みことのり)」を公布したのが743年、そしてこの2年後には造営が開始されました。工事に携わった人の数は延べ260万人余り、鋳造に使われた銅だけでも499トン、メッキに使われた金は440キログラム。こうして九年の歳月をかけ、高さ14.98メートルの巨大な尊像が完成したのです。

 右手は胸のあたりに上げて、前方に掌(たなごころ)を向ける施無畏印(せむいいん=怖れを取り除いて安心させる)、左手は膝(ひざ)の上で掌を上に向ける与願印(よがんいん=願いを与える)。このお姿は、いつの時代でも強烈な「仏さまのイメージ」を、見る者に与えてきたことでしょう。

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