lotus column 世間と自身 by Seikei
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 世間では悪いニュースばかりが報道される中、我が家の近くで猫の赤ちゃんが産まれ、力強い鳴き声にとても感動して癒された。その矢先に起こったのが、想像を絶する規模のミャンマーのサイクロン、そして中国の四川大地震。人の生命のはかなさに、改めて強い衝撃を受けた。

 テレビやインターネットの普及によって、多様な情報を瞬時に得ることのできる現代。良い出来事も悪い出来事も、たちまちの内に全世界へと流れ、私たちはその現実を突き付けられる。

 こうした時代にこそ、全世界の人々にとって本当に救いとなる教えとは何か、異なる宗教間の壁を乗りこえ真剣に模索しなければならない。その中で私たちの立場から示していくべきは、法華経の「常不軽菩薩品」に説かれる「但行礼拝(たんぎょうらいはい)」という規範であろう。

 常不軽菩薩は出会う人をひたすら合掌礼拝すると共に、「あなたはすでに仏の救いの中におり、世の人々もまたそうであると伝えるべき尊い方である」とおっしゃった。これを日蓮聖人は、言葉は違えども「南無妙法蓮華経」と同じ意味だと述べられている。

 他者との縁に仏の導きを真に認める時、自身の内にある迷いの世界が仏の世界へと転じられ、初めて成仏という安穏が実現する。宮沢賢治の語る「世界が全体幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」とは、まさにそのことである。

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