lotus column 偽と疑 by Eishu
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 日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ平成十九年の世相を表す漢字は、「偽」に決定した。船場吉兆の食品偽装事件をはじめ、食肉やお菓子等の偽装の発覚、さらには年金記録や防衛省汚職など、まさに偽りに満ちた一年だった。

 ちなみに四位の漢字は「疑」。偽も疑も音読みでは「ぎ」と読むが、意味は異なる。偽はいつわり・うそ・にせ。一方、疑はうたがい・あやしむことと辞書にはある。

 仏教には不妄語戒(ふもうごかい)という、嘘をついてはいけない戒律がある。嘘、つまり偽りの多くは、心の深層にある我欲や執着から生じ、相手は愚痴をこぼし、怒りや争いの原因となる。

 さらに、疑は偽よりも恐ろしい。『法華経』には、何度も「仏の言葉を疑わず、信ずべし」と説かれている。日蓮聖人も、不信は地獄へ堕ちることになるとご教示されているほどだ。

 皆がお釈迦さまのお言葉を信じることで、お互いが偽りや疑いを捨てて信じ合える世の中になり、「信」という漢字が選ばれる年になるよう強く望む。

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