最近でこそ関西人好みの食品も増えてきているが、それでもまだまだ浪花(なにわ)の食卓になじみ深いものばかりとは言えないだろう。
何を隠そう(隠さないが)私の場合、祖母と母が関東出身なもので、小さいときから納豆を口にしていた。だから納豆は嫌いではなく、むしろ大好物である。なので、ぷらっとスーパーに立ち寄っては、何度も行かなくても済むようにまとめ買いをしたりしている。
そんなある日、いつものように買い物に行くと、所定の位置にあるはずのものが忽然(こつぜん)と姿を消していた。そう、例の番組に影響されての異様な光景だった。
店員につめ寄るおばさま達。しかし、その番組が捏造(ねつぞう)されたことが発覚するや否や、一転して納豆が悪者であるかのような扱いが始まった。彼ら(彼女ら?)は何一つ悪くはない。それどころか我々の健康に充分貢献してくれたはず……。
納豆に限らず、昔から食べ続けられてきたものは、栄養豊かで、何より日本人の体質に合ったものであるはずだ。ならば、顔も知らないお偉いさんが本やテレビで言うことよりも、もっと身近な先人の言葉に耳を傾けてはどうだろう。
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